冨士浅間神社
御祭神・御由緒
御祭神は木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。御本社は静岡県・富士山本宮浅間神社である。
江戸時代は冨士浅間宮(社)・冨士宮(社)・浅間宮(社)等と称し、享保九年(1724)の記録によると、元は里山辺林山の麓にあり国司小笠原家が数代にわたり信仰していたが、天文年中(1532~1555)に現在地に遷宮したとする(『信府統記』)。
鎮座地は、深志神社(もと宮村大明神)西正面鳥居のすぐ前で、江戸期にあった天神馬場の東端となる。御神徳は家庭円満・安産・子安等。
享保十七年(1732)から祭礼を始め、祭礼日を六月朔日とした。現在は、例祭を五月上旬土曜・日曜日、新嘗祭・大祓式を十二月上旬に行う。
社家(先達)は綱島家であった。氏子は宮村町一丁目・二丁目、約百五十戸である。
【境内社】
〇金刀比羅宮(ことひらぐう)(本殿向かって左)
御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)。御本社は香川県・金刀比羅宮である。文政十二年(1829)には祀られている。御神徳は商売繁盛等。
〇多賀神社(たが)(本殿向かって右)
御祭神は、伊邪那岐命(いざなきのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)。御本社は滋賀県・多賀大社である。寛政年中(1789~1801)には祀られている。御神徳は延命長寿。
御由緒(付記)
当社の江戸時代の様子は、『善光寺道名所図会』(嘉永二年(1849)刊)の「宮村大明神」の項に描かれている。
なお現在、深志神社社務所前に据えられている鹿都部(しかつべ)(北川)真顔(まがお)の「立廻す 高嶺の雪は 銀屏風 中に墨絵の 松本の里」という著名な句碑(文政九年(1826)建)は、元は当社境内にあり、戦後、移建されたものである。
宮村町町会行事
冨士浅間神社例祭
五月上旬 土曜日 宵祭
五月上旬 日曜日 例祭
新嘗祭・大祓式
十二月上旬